既存の倉庫を改修し雪室として活用する試みは、今回で4年目を迎えます。貯雪スペースは昨年と同じですが、以下の課題を引き続き検討してまいります。 また秋には、この雪室で貯蔵された「雪囲い酒;原酒造(株)」と「雪室そだち;越後みそ西(株)」が販売される予定です。どうぞご期待下さい。
<検討事項>
・お酒、味噌、その他農産物(ジャガイモ、銀杏など)の雪中貯蔵効果
・夏場の室内温度上昇対策(屋根裏の熱排出など)
□ 2/19(日) 酒の搬入&雪の投入
9時より作業を開始。日本酒は4号瓶で1000本、一升瓶で1000本が搬入されました。その後、除雪機を使い、雪の投入が行われました。最下部は、投入開始より2時間後の状況です。約30tの雪が投入されました。味噌は、20日(月)に搬入予定です。
□ 3/11(土) 味噌の搬入
味噌は20Kgの樽が20ケ、合計で400Kgが収められました。また、上部の投雪口は当日午前に閉じました。下2枚の写真は、閉じる前の状況です。雪の投入から3週間あまり経っていますが、殆ど上部の雪は減っていません。
□ 4/1(土) 搬入口の戸を閉じる
搬入口の雪がやっと減り、戸が閉められそうなので、少し削って戸を閉めました。建物周辺の雪も大分減り、さらに2週間後には地が出るかもしれません。
□ 4/29(土) 建物周辺の状況
左は4/15、右は4/29に撮影したものです。2週間前は未だ腰の高さまで積雪がありましたが、もうスッカリ融けてしました。
□ 5/12(金) 雪室内の状況
雪山の上部は天井より1mほど下がりました。西側の屋根(写真右)も同様です。
□ 5/21(日) 雪の再投入
雪の再投入が行われました。また、旧鵜川小プールにおいてテント型雪室の実験を開始いたしました。
□ 8/20(日) 貯蔵品の搬出
貯蔵品の搬出作業が行われました。日本酒は、柏崎市内の「越の誉」特約店で販売される他、東京にも出荷される予定になっております。また、味噌は「越後みそ西」で販売されております。
こちらは、雪室に貯蔵し、今回取り出したリンゴとジャガイモです。リンゴは、酸味が失われていますが、サクサクとした食感は健在です。皮が張り、取れたて同様の弾力感があります。ジャガイモは写真のように蒸かして頂きました。サツマイモのような甘さが感じられ、不思議な思いを致しました。
2/19 15:00 雪室天井:1.0℃, 壁1m:-0.2℃, U字溝内:0.5℃(湿度75%), 酒ケース:1.6℃, ハウス内:3.7℃
□ 測定結果-1 期間:2月19から3月18日まで
上の図は、雪の投入から4週間の温度変化を表しています。天井及び壁高さ1mのセンサは投入した雪と接し、0℃を指しています。U字溝周辺は平均1.5℃(湿度78%)、酒ケース周辺は平均1.3℃で安定しています。
上の図は、3/14から2週間の状況です。ハウス内の気温は平均3.8℃。20℃を超える日もありました。雪室内は平均1℃で安定しており、U字溝内の湿度は78%を示していました。
□ 測定結果-3 期間:4月1から4月15日まで
上の図は、4月1日から4月15日までの状況です。気温が20℃を超える日は天井の温度が若干上がるようになってきました。U字溝は平均1℃、湿度は80%でした。
□ 測定結果-4 期間:4月15から4月29日まで
上の図は、4月15日から4月29日までの温度観測結果を示しています。平均温度は天井付近で1.6℃、U字溝付近で1℃(湿度81%)の状況です。建物周辺の雪も融け、平均9℃まで上昇してまいりました。
上の図は、4月29日から5月12日までの温度観測結果を示します。平均温度は、天井付近で5.5℃、雪室内のU字溝付近で1.3℃(湿度81%)の状況です。建物周辺は平均18℃まで上昇してまいりました。
□ 測定結果-6 期間:5月12から5月26日まで
上の図は、5月12日から5月26日までの温度観測結果を示します。平均温度は、天井付近で4.5℃、雪室内U字溝付近で1.3℃(湿度83%)の状況です。建物周辺は平均17.4℃を示しています。
□ 測定結果-7 期間:5月26から6月5日まで
上の図は、5月26日から6月5日までの温度観測結果を示しています。平均温度は、天井付近で4.2℃、雪室U字溝付近で1℃。建物周辺は平均で19℃を示しています。
□ 測定結果-8 期間:6月5から6月16日まで
上の図は、6月5日から6月16日までの温度観測結果を示しています。平均温度は、天井付近で6℃、雪室U字溝付近で1℃。建物周辺は平均で20℃を示しています。
□ 測定結果-9 期間:6月16から6月30日まで
上の図は、6月16日から30日までの温度観測結果を示します。平均温度は、天井付近で8℃、雪室U字溝付近で1℃、建物周辺は平均で22.7℃を示しています。
雪室内部の様子(左:西側 右:中央)
□ 測定結果-10 期間:6月30日から7月23日まで
上の図は、6月30日から7月23日までの温度観測結果を示します。23日10時の観測では、天井付近14.9℃、U字溝付近で2.2℃(湿度92%)、酒ケース付近で1.6℃となっています。
雪室内部の様子(左:西側 右:中央)
上の図は、7/23から8/5までの温度観測結果を示します。8/4の時点でU字溝内の温度は平均7℃(最高8℃)まで上がってきました。下の写真は、7/30の状況です。
雪室内部の様子(7/30撮影)
□ 測定結果-12 期間:7月23日から8月20日まで
上の図は、8月5日から20日までの温度観測結果を示します。雪が解けて潜熱効果が期待できない状況です。終盤では室内が18℃まで達しました。
Last Up Date: 2006/12/10